『会計士の監査風土-会計士は不正のトライアングルを断ち切れるか-』
柴田 英樹 著四六判・336頁
定価:2,640円(税込)
978-4-905366-02-7 C2034
2011年6月発行
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クライアントである企業に、会計士は会計士であるという矜持を保つことができるのか。
会計士がもともとの存在意義を機能させるためには、現行の監査システムを変える必要がある。
それは何か。著者からの提言。やさしい、初歩的な監査論の本です。読み物的な要素はありますがエンタテイメント性はありません。
【第Ⅰ部 監査とは】
■第1章 監査の意義と監査風土
1 監査の意義と監査の種類
(1)監査の意義
(2)監査の種類
2 監査風土とは
(1)国民性
(2)経営風土
(3)監査風土■第2章 監査の歴史
1 イギリスの監査の歴史
2 アメリカの監査の歴史
(1)精密監査の時代
(2)貸借対照表監査の時代
(3)財務諸表監査の時代
(4)連結財務諸表監査の時代■第3章 監査基準とは―目的基準と一般基準
1 監査基準
2 一般基準
3「一般に公正妥当と認められる監査基準」の構成
4 監査の質の向上と管理
5 不正および違法行為
6 監査人の独立性と専門性■第4章 監査実施基準の基本原則と監査計画
1 監査実施基準
2 監査計画■第5章 監査技術と監査調書
1 監査技術
2 監査調書■第6章 監査証拠
■第7章 内部統制と経営者確認書
1 内部統制
(1)内部統制の意義
(2)内部統制の構成要素
(3)SOCOキューブ
(4)内部統制の限界
(5)金融商品取引法における内部統制
(6)会社法における内部統制
2 経営者確認書
(1)経営者確認書の意義
(2)経営者確認書の入手の目的
(3)経営者確認書の留意事項と記載事項■第8章 監査報告書と監査意見
1 監査報告書
(1)監査報告書の意義
(2)監査報告書の種類
(3)監査報告書の記載内容
2 監査意見
(1)監査意見の意義
(2)合理的な基礎と合理的な保証
(3)監査意見の種類
(4)除外事項
3 追記情報
4 未確定事項■第9章 継続企業の前提の監査
1 財務諸表監査の継続企業の前提問題への対応
2 継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況
3 継続企業の前提問題に関わる注記事項
4 継続企業の前提に関する追記情報
5 継続企業の前提の問題を考慮した監査意見
6 継続企業の前提が成立していないことを示す事実■第10章 品質管理基準の導入と公認会計士法の改正
1 品質管理基準
2 公認会計士法の改正
(1)二〇〇三年改正
(2)二〇〇八年改正■第11章 リスク・アプローチ監査とビジネス・リスク・アプローチ監査
1 監査方法の変遷
2 リスク・アプローチ監査
(1)意義
(2)リスク・アプローチ監査における分析的手続
(3)各リスクの評価方法
(4)監査リスクの構成要素間の相互関係
(5)リスク・アプローチ監査の本質
(6)リスク・アプローチ監査の進め方
(7)経営者とのディスカッション
3 ビジネス・リスク・アプローチ監査
(1)意義
(2)ビジネス・リスクの評価の重要性
(3)ビジネス・リスク評価が重視されるべき実際の経済環境
(4)重要な虚偽表示のリスクの評価
(5)「財務諸表全体」および「財務諸表項目」の二つのレベルでの評価
(6)特別な検討を必要とするリスク
(7)経営者が提示する財務諸表項目と監査要点
(8)ビジネス・リスク・アプローチ監査の問題点【第Ⅱ部 粉飾決算】
■第1章 粉飾決算とは
1「虚偽記載」と「従業員不正」
2「許される粉飾」と「許されない粉飾」
3 ウソはウソを呼ぶ
4 粉飾経理の進行段階
5 粉飾の主な手口と粉飾経理を見つける監査のポイント
6 先に倒産ありき■第2章 日本の粉飾事件
(1)山陽特殊製鋼事件
(2)不二サッシ工業と同販売事件
(3)ロッキード事件
(4)日本コッパーズ事件
(5)証券会社の損失補填事件
(6)東洋信用金庫事件
(7)富士銀行赤坂支店を舞台にした巨額不正融資事件
(8)丸紅架空取引に係る詐欺事件
(9)三田工業事件
(10)雅叙園観光事件
(11)イトマン事件
(12)山一證券倒産■第3章 最近の粉飾事件とJ-SOX法
1 最近の粉飾事件
(1)フットワークエクスプレス事件
(2)足利銀行事件
(3)キャッツ事件
(4)カネボウ事件
(5)東北文化学園大学事件
(6)ニイウス コー事件
(7)アイ・エックス・アイ事件
(8)日興コーディアル・グループ事件
(9)ライブドア事件
(10)加ト吉事件
(11)西武鉄道事件
(12)メディア・リンクス事件
2 J-SOX法(日本版SOX法)■第4章 世界的な粉飾事件と米国SOX法の制定
1 アメリカ
(1)エンロン事件
(2)ワールドコム事件
(3)粉飾の代償
2 イギリス
3 米国SOX法の制定【第Ⅲ部 会計士の現状と将来】
■第1章 会計士の現状
1 監査法人の時代
2 継続企業の前提の監査における監査人の役割■第2章 監査業務の変遷とインセンティブのねじれ
1 かつての監査法人と監査の実態
2 コンサルティング業務
3 インセンティブのねじれ
4 監査報酬プール制■第3章 企業の組織風土と監査人の想定モデル
1 組織風土が良好であるかの検証
2 監査人の想定モデル
3 統制環境の監査
4 他の監査人とのコミュニケーション■第4章 会計士の職能とは
1 公認会計士の役割
2 会計の機能と監査の機能■第5章 会計士の育つ監査風土
1 日本の会計士制度の変遷
2 会計士の育つ監査風土
3 会計士の監査風土に影響を与えるもの■第6章 会計士試験制度の再改革は必要か
1 大量の「就職難民」の発生
2 過去の試験制度の改革は失敗だったのか
3 会計士を二種類に分ける案■第7章 会計士の将来
1 実態の監査の重視
2 「組織」と「個」の問題
3 粉飾決算を取り締まるシステムの私案
(1)反面調査権の付与
(2)ブラックリストの作成
(3)監査法人内の内部調査機関の設置
(4)監査法人内の内部調査室の設置
(5)監査予備隊(監査予備タスクフォース)の設置
4 会計士の監査風土
5 有限責任監査法人
6 IFRSの導入後に生じる問題
7 終わりに-会計士は「不正のトライアングル」を断ち切れるか《参考文献》
《索引》会計士の監査風土
会計士は不正のトライアングルを断ち切れるか
柴田英樹978-4-905366-02-7