『固定資産税土地評価実務シリーズ 第1部 固定資産税土地評価に関する基本的事項と画地認定』
山本 一清 著A5判・520頁
定価:7,700円(税込)
978-4-910288-35-2 C2034
2023年4月発行
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本書は、固定資産税土地評価全般において、評価に当たって必要となる事項を明らかにし、読者に分かりやすく提供することを目的とした実務全集の第1部である。
(略)
近年は情報公開を求める声が全国的に高まってきており、固定資産税土地評価においても、評価額及び評価に関する過程等の情報は、ほぼ全般にわたって公開されつつある。このため、今後は市町村の担当職員の固定資産税土地評価に関する知識がより重要となってくると考えられる。そういった意味からも、本書が市町村の実務担当者等、固定資産税土地評価に携わる方々にとって少しでも参考になれば幸いである。「本書はしがき」より
第1章 適正な時価
第1節 固定資産評価基準に定められる「適正な時価」の意義
1 「適正な時価」の概念
2 「適正な時価」の意義
(1) 標準宅地の適正な時価
(2) 標準宅地の「価格」
(3) 各土地の「価格」
3 「7割を目途として評定する」の意義
(1) 7割評価が定められた経緯
(2) 7割評価の意義
4 「適正な時価」の本質
5 登録価格
第2節 違法の可能性を有する評価
1 「違法の可能性を有する評価」の意義と評価上の誤差
(1) 固定資産評価基準に定められる各土地の「適正な時価」
(2) 評価上の誤差の発生原因
(3) 評価上の誤差の図解
(4) 違法の可能性を有する価格の性格による区分
2 「登録価格が評価基準に定める評価方法に従って決定される価格を上回るとき」の違法性
(1) 平成25年最高裁判決の要旨
(2) 判決の内容
(3) 「登録価格が評価基準に定める評価方法に従って決定される価格を上回るとき」の意義
3 「登録価格が客観的交換価値を上回るとき」の違法性
(1) 「違法の可能性を有する部分」の意義
(2) 「違法の可能性を有する部分」の範囲
(3) 「違法の可能性を有する部分」が発生する例
4 違法と指摘される可能性のある評価
(1) 固定資産評価基準に具体的に定められているにもかかわらず、これを適切に行っていないケース
(2) 「適正な時価」の意義からすれば、必要性が明らかであるが、固定資産評価基準に具体的に定められていないことを理由に、補正を行っていないケース
第3節 市場価格と正常価格
1 市場における地価の成立の概要
(1) 土地の地価形成因子の概要
(2) 地価影響要因の意義
(3) 地価形成因子と地価影響要因との関係
(4) 土地のあり方と価格形成条件
(5) 地価の成立
2 正常価格の意義
(1) 「正常価格」
(2) 市場価格、正常価格及び適正な時価の関係について
第2章 固定資産税土地評価の概要
第1節 固定資産税土地評価における実務の概要
1 固定資産評価基準による宅地の評価方法
2 市街地宅地評価法
3 市街地宅地評価法の具体例
(1) 用途地区の区分
(2) 状況類似地域の区分
(3) 主要な街路の選定
(4) 標準宅地の選定
(5) 標準宅地の適正な時価の評定
(6) 主要な街路の路線価の付設
(7) その他の街路の路線価の付設
(8) 画地認定
(9) 各筆の宅地の評点数付設の及び評価額の算出
4 市街地宅地評価法の工程
5 その他の宅地評価法とその適用方法
(1) 状況類似地区の区分
(2) 標準宅地の選定
(3) 標準宅地の適正な時価の評定
(4) 画地認定
(5) 各筆の評点の付設及び算出
第2節 固定資産税土地評価の作業区分及び担当
1 固定資産税宅地評価の作業区分の意義
(1) 固定資産宅地評価の作業区分の必要性
(2) 作業の区分及び担当者
2 評価に係る作業区分とその担当者
(1) 状況類似地域(地区)の区分
(2) 標準宅地の選定
(3) 標準宅地の鑑定評価
(4) 路線価の付設
(5) 地目認定の作業
(6) 画地認定の作業
(7) 画地計算法の適用
3 同一の不動産鑑定士による一括した作業の必要性
(1) 評価上での減価に係るケース
(2) 納税者に対する窓口対応に係るケース
4 標準宅地の鑑定評価等の依頼に当たっての留意事項
第3節 固定資産税土地評価に当たっての留意事項
1 固定資産評価基準の意義
2 固定資産評価基準の特徴
(1) 技術的な基準
(2) 全国的、統一的に適用される基準
3 固定資産税宅地評価の実務に当たっての留意事項
(1) 必要となる基本的姿勢
(2) 実務上の留意事項
第4節 固定資産税土地評価に係る窓口対応
1 「平成25年最高裁判決」に係る「補足意見」
(1) 不動産鑑定評価書の性格と取扱いについて
(2) 「登録価格が客観的な交換価値を上回る場合」の対応方法
(3) 違法性に係る主張立証の責任の所在
2 窓口対応に当たって留意すべき事項
(1) 窓口対応の重要性
(2) 窓口対応の時期及び期間
(3) 窓口対応の具体的な方法
(4) 固定資産評価審査委員会への対応
3 具体例による市町村の対応方法
具体例その1――地積過大
具体例その2――ゴルフ場
具体例その3――太陽光発電施設用地
第3章 画地認定
第1節 画地認定の意義及び固定資産評価基準による規定
1 画地認定
2 画地認定の重要性
3 固定資産評価基準に定められる画地認定の規定
(1) 原則
(2) ただし書き
第2節 合理的な土地市場における画地認定に係る法則性
1 固定資産税土地評価に係る画地認定と合理的な土地市場との関係
2 合理的な土地市場における画地の範囲の確定
(1) 不動産鑑定評価と画地認定
(2) 合理的な土地市場の法則性
3 画地認定における二つの法則性
第3節 固定資産評価基準の検証と画地認定の基本的方針
1 固定資産評価基準に定められる「利用目的の同一性」と合理的な土地市場の法則性との関連性
2 固定資産評価基準に定められる「土地の連続性」と合理的な土地市場の法則性との関連性
3 固定資産評価基準に定められる「所有者の同一性」と合理的な土地市場の法則性との関連性
(1) 現時点(令和4年)における固定資産税土地評価に係る「所有者の同一性」の取扱い
(2) 「所有者の同一性」に関する諸問題
4 画地認定の基本的方針
(1) 「最高価格の法則性」に基づくこと
(2) 「処分権限同一の法則性」に基づくこと
(3) 実務上での画地認定の方針
第4節 宅地の画地認定
1 画地認定例の分析に当たり留意すべき事項
(1) 各事項を理解するに当たって留意すべき事項
(2) 更地が前提の評価と画地認定との関係
(3) 地目が異なる土地の画地認定の可否
(4) 画地認定の実施に当たり実務上で留意すべき事項
(5) 公共用地に取得に係る土地ヒ評価の画地認定との関係について
2 宅地の画地認定において判断が比較的容易な土地の事例
3 宅地の画地認定において判断が困難な土地の事例
第5節 田の画地認定
1 田の一般農地に係る画地認定の意義
(1) 固定資産評価基準に定められている田の一般農地に係る画地認定の方法
(2) 「一枚田」の考え方
(3) 「1筆の田を2枚以上に区分して利用しているとき」の評価方法
(4) 「中庸と認められる一枚の田が得られる場合」の画地認定及び評価方法
2 田の宅地等介在農地及び市街化区域農地に係る画地認定の意義
(1) 宅地等介在農地に係る画地認定と評価方法
(2) 市街化区域農地に係る画地認定と評価方法
(3) 宅地等介在農地と市街化区域農地との画地認定の相違
3 田の画地認定において判断が比較的容易な土地の事例
4 田の画地認定において判断が困難な土地の事例
第6節 畑の画地認定
1 畑の一般農地に係る画地認定の意義
(1) 固定資産評価基準に定められる畑の一般農地に係る画地認定の方法
(2) 「一枚の畑」の考え方
(3) 「一枚の畑を二枚以上に区分して利用しているとき」の評価方法
(4) 「中庸と認められる一枚の畑が得られる場合」の画地認定及び評価方法
2 畑の画地認定において判断が比較的容易な土地の事例
3 畑に係る画地認定において判断が困難な例
第7節 山林の画地認定
1 山林に係る画地認定の意義
(1) 山林の画地認定に当たって留意すべき事項
(2) 山林の画地認定に係る問題点
2 合理的な土地市場から見た山林の取引単位
(1) 山林に係る作業工程の分析
(2) 価格形成要因から見た取引単位
3 山林に係る画地認定の基本的な考え方
(1) 所有権に基づく区分
(2) 林道による区分
(3) 河川による区分
(4) 方位(樹木の種類)による区分
(5) 公法規制に基づく区分
(6) 原野との区分
4 山林の画地認定の事例
第8節 雑種地の画地認定
1 雑種地の意義
2 雑種地に係る画地認定の意義
3 画地認定の事例
あとがき