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『改訂増補 私道の調査・評価と法律・税務』

黒沢泰著
A5判・384頁
定価:5,500円(税込)
978-4-910288-44-4 C3032
2024年4月発行

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改訂増補版では、令和4年6月改定版(第2版)の所有者不明土地問題が含まれる共有私道に関するガイドラインを掲載し、共有私道の工事に関する支障事例について、各種新制度の具体的な適用関係や、所有者不明土地が含まれる共有私道の維持管理や問題解決の指針などについて解説しています。建築基準法における道路関連の条文改正、相続税評価における私道の評価に関する最高裁判決、私道の所有および利用に関する様々な動向変化など、可能な限り、私道をめぐる問題解決の指針として策定されている最新のものを盛り込んであります。

目次

第1章 私道の性格と調査

1.私道の範囲

2.建築基準法上の道路

(1)建築基準法における道路の種類

(2)私道の変更または廃止の制限

(3)道路の幅員の測り方

3.開発道路の具体例

(1)道路が中心線を境に二つに分筆され、それぞれ多数の者の共有持分とな

っているケース

(2)開発行為に伴い設置された道路ではあるが、私人が管理しているケース

4.位置指定道路の具体例

(1)一本の位置指定道路で所有形態が分有の場合

(2)道の半分が私人名義、半分が市道で、これらを合わせて幅員4mの位置指定道路の扱いを受けている例

(3)位置指定道路でその一部が未分筆の場合

(4)一本の位置指定道路で所有形態が分有と共有の混合形態の場合

(5)位置指定道路で縦割型の分有の場合(区画数が多く煩雑なケース)

(6)縦割型の分有で比較的単純なケース

(7)位置指定道路で縦割型の分有の場合(区画数が多く煩雑なケース)

(8)位置指定道路で片側が分有、反対側が共有持分となっている例、および両側が共有持分となっている例

評価の実際位置指定道路で片側が分有、反対側が共有持分となっている例、および両側が共有持分となっている例

(9)私道の所有者が一人である場合

(10)私道の持分を有しない人がいる場合

(11)当初道路位置の指定を受けた道が市道に移管されているケース

5.位置指定道路の登記簿―共有持分形態の場合の具体例―

6.位置指定道路の指定基準

(1)建築基準法施行令第144条の4第1項の考え方(基本)

(2)建築基準法施行令第144条の4第2項での取扱い

7.道路位置指定の申請手続き

8.道路位置指定の申請図面の具体例

9.道路位置指定の変更図面の具体例

10.道路位置指定の廃止図面の具体例

11.2項道路の具体例

(1)市道の途中から分岐し共有となっているケース

(2)ほとんどの部分で分筆登記が行われていないケース

12.43条2号2項許可

(1)43条2号2項許可の適用例と許可基準の考え方

(2)許可基準の具体的なイメージ図

(3)包括同意基準の具体例と申請書等の参考様式
(4)43条2号2項許可の特殊な適用例

第2章 私道の評価

1.建築基準法第42条第2項の道路の評価例

(1)設例

(2)私道評価の考え方

2.建築基準法第42条第1項第5号(位置指定道路)

(1)私道が不特定多数の利用に共されており、ゼロ評価とした例

(2)私道が特定の者の利用にとどまっており、将来の宅地化の可能性も残されているため、標準な画地の30%を評価とした例

3.建築基準法上の道路に該当しない単なる道の評価例

(1)設例

(2)評価の考え方と手順

4.財産評価基本通達における私道の評価方法

5.指導評価に係る裁決事例

(1)事案の概要

(2)審判所の判断

(3)私道評価上の留意点

6.私道の用に供されている宅地を貸家建付地として評価すべきだとした課税庁の処分を否認した最高裁判決

第3章 私道の法律―判例を中心として―

1.囲繞地通行権

(1)厳密な意味では公道に通じない袋地でないものの、囲繞地通行権が0.5m幅で認められた事例

(2)幅員1.3mの範囲で囲繞地通行権が認められた事例

(3)自動車による囲繞地通行権を前向きに判断した事例

(4)土地の賃借と囲繞地通行権の発生する範囲

(5)土地の賃借人と契約上派生する通行権

(6)担保権の実行と囲繞地通行権

(7)数人に対する土地の一部譲渡により譲受人の一人の譲受地が袋地となった場合の囲繞地通行権の範囲

(8)囲繞地通行権が認められないとされた事例―公道に1.45m接する土地の上に建築基準法が 施行されるよりも前から存在した建築物が取り壊された場合に同土地の所有者のためにいわゆる接道条件を満たすべき内容の囲繞地通行権の存否をめぐって

2.囲繞地と電線等の引込み―袋地所有者のため囲繞地内への電気引込線架設工事および排水管設置工事が認められた事例

3.通行地役権

(1)通行地役権に基づく妨害禁止の請求が認められる範囲

(2)評価の実際黙示の通行地役権設定契約の成立が認められた事例

(3)土地の分譲に際して黙示の地役権の設定があったと認められた事例

(4)通行地役権の時効取得が認められるための要件と、これが否定された事例

(5)通行地役権の時効取得が認められた事例

(6)通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合

(7)別荘地に所存し多くの観光客が通行する土地と接道する各土地の所有者に対し通行地役権が認められた事例

(8)默示の通行地役権の成否をめぐる裁判例

4.2項道路と自動車の通行

(1)自動車の通行が否定的に解された事例

(2)自動車による通行の自由が否定された事例(その1)

(3)自動車による通行の自由が否定された事例(その2)

(4)自動車通行を含む通行の自由が認められた事例

(5)2項道路の指定が存在しないとされた事例

(6)2項道路指定の要件

(7)2項道路(私道)の所有者から近隣土地所有者等に対する通行券不存在等の確 認請求が棄却された事例

(8)2項道路(私道)に接する建物所有者の私道所有者に対する鉄柱等の撤去請求が容認された事例

5.私道使用契約による通行―隣地購入者に私道使用契約の承継が認められ、自動車の通行を含む通行権が肯定された事例

第4章 私道と固定資産税

(1)私道が非課税となるための要件

(2)私道の非課税(減免)申請書の具体例

(3)私道に係る所要の補正

第5章 私道の寄付・負担・登記事項の例

1.私道の寄付―寄付受入れとその手続き―

2.私道の負担と重要事項説明

3.通行地役権の設定されている土地の登記簿の例

(1)通行および下水道の設置利用を目的とする地役権―その1

(2)通行を目的とする地役権―その2

(3)分譲地に設定された交錯的通行地役権

4.地役権図面の具体例

5.地役権のさまざまな形態

6.敷地の一部(通路)の通行が承諾されている例

第6章 共有私道ガイドラインの策定

1.ガイドライン制定の趣旨

2.共有私道の形態とそれぞれの性格

(1)共同所有型私道

(2)相互持合型私道

3.ガイドラインによる所有者不明私道への対策策――事例を基にして

【ケース1】舗装の陥没事例

【ケース2】全面再舗装事例

【ケース3】新規舗装事例

【ケース4】給水管の新設事例(給水管を排水管に接続)

【ケース5】樹木の伐採事例

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